Nikon F90Xs

F90XsとPCをフォトセクレタリAC-PW-Jでリンクさせているところ 

2000年作成 2007年2月加筆修正

特徴
現在、やまろのメインカメラがこのニコンF90X。94年発売、2000年に生産終了。F100登場まで、F一桁シリーズにつぐ中堅機でした。本機のベースとなったF90のマイナーチェンジ版。

ベースとなったF90は、F801シリーズの後継機として1992年に発売。F801シリーズの操作系をほぼ継承し、FAやF4などに搭載された5分割マルチパターン測光をさらに強化した、3D-8分割マルチパターン測光を搭載し、距離エンコーダー搭載のDタイプレンズと組み合わせる事で、被写体までの距離、周辺の明るさを考慮した測光ができるようになった。特にストロボ撮影時はその恩恵が大きい。そのほか、電子手帳システムやPCとのリンクを備え、撮影データの保存やカスタムセッティングの変更も行える。また、AFもワイドエリアとなった。シャッターも1/8000〜30秒まで1/3段刻みで設定でき、プロのサブ機としても十分絶えられる性能を確保していた。

2年後、F90はマイナーチェンジしF90Xとなった。改良点としては、連写コマ速度の高速化、AFの改良高速化、カスタムセッティングの項目追加、撮影データ保存用内部メモリの大容量化、縦位置グリップMB-10に対応といった点で、外観や主な機能に違いはない。縦位置グリップに関しては、F90もメーカー改造によって縦位置でシャッターを使うことが出来た(現在この改造は受け付けていない)

プロもF4のサブ機としてよく使用していた機種で、水中撮影用のハウジングもサードパティメーカーが用意していたことから、水中カメラとしても良く使われていた。またF4より安いので駆け出しのカメラマンもメイン機として使うケースが多かった。
F100登場後、急速に中古価格が暴落し、比較的手ごろな値段で入手しやすかった機種でもあり、実用機として人気が高かった。外装がエンジニアリングプラスチックゆえ、使い込むとテカってくるのがF4シリーズと同様の弱点。ただし、金属ボディ機種と比較して耐久性が劣るわけではない。


インプレッション

外装はエンジニアリングプラスティックなので、使い込むにつれ、表面にテカリが生じるのは否めない。この点は後継たるF100が金属外装になっている。だからといってF90シリーズの質感が低いかといえばそうではなく、シャッター音も悪くないし、耐久性に劣るわけではない。プラ外装は、寒冷地での撮影の際、金属外装に比べて手が冷たくならないという利点もあるし、頑丈さの点では金属外装と大差ないことは、F一桁シリーズで唯一プラ外装であるF4シリーズを見ても明らか。

F90XはさすがにF4やF5・F6、あるいはF100のように、防水性、防塵性は考慮していないが、小雨程度の水滴なら大丈夫なようです。実際、何度か撮影中に雨に降られたり、雪の中に落した事もあっけど、運良くトラブルは発生していないです。(あくまでやまろの使用談です。濡れて故障しても責任は負えません。濡らさないようにするのが大事) もちろん、雨や雪の際は、カメラを覆おう必要があります。これは防水処理をしているカメラとて同じで、プロほど気を使うといいます。(仕事の道具ですからね)

また、寒さに関しても、北海道の冬(-15℃)の条件下でも、寒さにある程度強いNi-HM電池を使用した限り、液晶の反応が鈍くなる以外は機能面に問題は発生しません。(どちらかというと人間の方に問題が発生?) もちろんカメラが冷えないようにする必要はあります。

シャッターを切った時のファインダ消失時間は、さすがにF6やF5、F100に比べるとやや遅い。シャッターのレスポンス自体は悪くないけど、F100と比較するとほんのわずかに遅い気もする。が、あくまでも比較した印象であり、単体使用時ではあまり感じられない。

ファインダ性能は、視野率約92%で、中級機としては不満が残ります。せめてF100並みの96%は欲しいところ。そのかわりファインダ倍率は最近のAF機としては比較的高く約0.78倍で、ファインダは明るく見やすい。ピントの山もつかみやすい。デジタル時代になって、逆にこのカメラのファインダの良さが光ってる気もします。APS-Cサイズのデジカメでは、どうあがいてもファインダの見易さはフィルムには勝てないです。

AFの性能は、中央に十字のワイドフォーカスエリアのみで、当時キヤノンがEOS5で視線入力付5点フォーカスエリアを搭載していたのと比較すると、遅れている感は否めない。しかし、AFの速度自体に不満はなく、AF-I・AF-Sレンズも使えるので、AFで動きの激しい被写体を追いかけるといった用途でなければ不満はない。自分は逆に1点しかフォーカスエリアがなく、AFはあくまでもピント合わせの補助に過ぎないと考えているので、特に不便は感じません。

モータードライブは4.3コマ/秒(予測フォーカス時4.1コマ/秒)で、通常の1コマ撮影時もレスポンスは良く、多くの撮影で必要十分な性能。ただ、欲を言えば縦位置グリップ装着時は電池が6個入るようにして(グリップ装着時も4個)、巻き上げ速度向上ができるといいんだけど。

マルチパターン測光はDタイプで、特にストロボ調光は高精度です。通常撮影は、ほとんどマルチパターン測光と±1段以内の補正で対応できます。ただし、測光インジケーターは±1段しかなく、スポット測光+マニュアルモードでの撮影には不満が残ります。操作系は、F5シリーズから始まった2ダイヤルではなく1ダイヤルだが、使い勝手は悪くないが、よく切り替える撮影モードボタンに関しては、1ボタン+ダイヤル操作では使いづらく、この辺は独立したダイヤルが欲しいです。

筆者のF90Xはマルチファンクションデータバック付のF90Xsです。このデータバックはF100オプションのバックより多機能ではあるが、コマ間データ写しこみに対応していないのが残念。また、操作はボタン+ダイヤルで、慣れるまでは説明書が離せない。インターバル撮影など、特殊な撮影が行えるほか、F90X単体ではできない、AE・SBブラケティング撮影ができる。筆者はよくバルブ撮影をするが、バルブの時間を設定する事もでき、重宝している。もっとも、ブラケティングはカメラ側で自分で補正したほうが早いので、ほとんど使ってないです。

古い機種にもかかわらず、発売当時、電子手帳システムとのリンクで撮影データの保存やカスタムセッティングができるのは、あまり取り上げられていない本機の美点です。のちにPCリンクキット(フォトセクレタリAC-PW-J)も発売、やまろもそれを使用しているが、古いソフトで、FD収録、OSもWin3.1/95・NT3.51/4.0対応となっていて、今となっては化石のようなソフト。ただしニコンのHPによれば、Win9x・Win2k・WinMe・WinXPでも作動。実際WinXP上で使用しています。このソフトの導入(オークションでゲット)により、データ管理が楽になり、後の作品作りに活かせることができます。
また、カスタムファンクションで、Aモード時の簡易露出補正対応など、F5より操作性が向上している点も見逃せない点です。もっとも、カメラ単体でセッティングできるようになっているほうがいいんですけどね。
今でこそ、F5・F100やキヤノンEOS-1V、ミノルタα7などがPCリンクに対応している(現在PCリンクキットは販売完了)が、F90シリーズは、そういったPCリンクの先駆け的カメラなのです。


購入のきっかけ

筆者がF90Xsを購入したのが99年。それまで自分のカメラは、じいさんの形見、Yashica TL Electro X。当時はあまり知識がなく、M42スクリューマウントも、単なるネジでほかに交換レンズなんかないんじゃないの? なんて思ってまして、やはり快適撮影にはAF一眼レフを…と思ってました。
メーカーは自然にニコンに。これはオヤジが既にニコンFやF4を所有しており、それが憧れだった事、他メーカーよりデザインが好きだったことが理由に挙げられる。

学生ゆえ(当時)に貧乏なので、あまり高い予算はかけられない。当初、カメラ屋の普及機F60とレンズセットを購入しようと思っていたのだが、こだわり性の性格ゆえ、安物では満足できないだろうという考えが浮かんだ。友人も「買うならもう少しいいやつを買ったほうがいいよ」とのことで、中古のF70DかF90Xが選択肢に入った。99年の時点で、両者とも現行機種ではあったが、共にモデル末期で中古相場も安くなっていた。F70Dでは中途半端との友人談により、F90Xを購入する事に。ネットであれこれ探した結果、サイトウカメラさんで美品のF90Xsが最も安かったので購入。ここの中古は相場より安くてお奨めですよ!

あれから8年使用した感想、F90Xを買ってよかったです。F70Dだったら、もう買い換えてるでしょう。インプレッションに書いたとおり、基本性能は今でも十分で、AFをそれほど重視していないので特に不満はありません。多分壊れるまで使うと思います。既にボディがテカってきてますが、メーカーでの外装交換は不可能(部品がないそうで)。

そろそろデジタル一眼レフも欲しいなとは思っているものの、やっぱりAPS-Cサイズではファインダが不満です。小さすぎます。ニコンからフルサイズ機が出るまでは我慢。それよりデジタルの普及でF5やF100の中古価格が暴落してるんです。F5が8万円代で買える時代なんです。F90Xがだめになったら、F5かがんばってF6が欲しいですね。



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